のぼりが伝統的に使われ続けている分野としては、歌舞伎劇場も有名です。
出演する役者の名前が歌舞伎文字ともいわれる独特の字体で記載されているのぼりは、そのデザインのインパクトとともに、現在の私たちにも強い印象を残します。
目立つのぼりで歌舞伎の開催を知らせるというのがもともとの発祥だと考えられますが、現在では、そののぼり自体が歌舞伎とは切っても切れない風物詩のひとつとなっており、空間のイメージを作り出すという意味で、非常に重要なものとなっています。
のぼりが歌舞伎に使われることは、わが国古来の伝統的な感性を私たちの心に感じさせてくれるという意味で、非常にふさわしく、これからも長く残っていくものと思います。
東京の歌舞伎座では、近く立て替えが行われるということで、「さよなら公演」が実施されていますが、これを広く告知するという意味でも、のぼりが大いに活躍しているといえるでしょう。
好みの役者の名前が入ったのぼりは、装飾品としての価値も高いことから、歌舞伎見物のみやげ物としても人気があります。
のぼり自体は、構造がシンプルで、比較的安価であり、展示や収納にも場所を取らないということで、みやげ物にも向いているのがその理由だと思われます。